事務員の保育園日誌|複雑な保育園業務の改善方法を

保育園で働く事務員の日常や役立つスキル、業務の改善について紹介します!

【保育園業務解説!】監査資料から考える保育園における業務の義務性について  児童処遇「2:保育の計画と内容」その⑨

前回は「2:保育の計画と内容 その⑧」について解説・紹介しました。

今回は「2:保育の計画と内容 その⑨」を解説・紹介していきます。

 

※ここでは計13個の項目に沿って調べられますので、複数回に分けて紹介・解説していきます。

今回は、最後の(13)の項目を紹介します。

 

ア 地域社会との交流・連携が図られているか。※交流・連携の内容を記載

になります。そして対応する根拠法令が、

(13)・・・児童福祉施設最低基準第5条第2項 鹿児島県児童福祉施設の整備及び運営に関する基準を定める条例第6条第2項 保育所保育指針第1章1ー(5)

となります。それでは確認していきましょう。

※関係書類の記載はありませんでした。

 

 

(13)地域交流等の状況

ここでは「地域交流等の状況」について、1つの観点から確認しています。

 

ア 地域社会との交流・連携が図られているか。※交流・連携の内容を記載

ここでは保育所における地域社会等との交流・連携について確認しています。

まずは疑問点をおさらいしましょう。

それでは対応する法令を確認しましょう。

 

児童福祉施設最低基準第

児童福祉施設の一般原則)
第五条 児童福祉施設は、入所している者の人権に十分配慮するとともに、一人一人の人格を尊重して、その運営を行わなければならない。
2 児童福祉施設は、地域社会との交流及び連携を図り、児童の保護者及び地域社会に対し、当該児童福祉施設運営の内容を適切に説明するよう努めなければならない
(~以下省略~)

※『鹿児島県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例第6条第2項』も同様の内容の為、省略します。詳しくは備考欄をご確認ください。

 

保育所保育指針

第1章 総則

1 保育所保育に関する基本原則 

(5) 保育所の社会的責任

ア 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。

イ 保育所は、地域社会との交流連携を図り、保護者や地域社会に、当該保育所が行う保育の内容を適切に説明するよう努めなければならない

ウ 保育所は、入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとともに、保護者の苦情などに対し、その解決を図るよう努めなければならない。

2つの法令を確認すると分かるように、地域社会等の交流の目的は「保護者や地域社会」に対して、施設で実施している「保育の内容」を説明する事にあります。

 

しかし法令だけを見ると、保育所における保護者や地域社会との交流に義務性はありません。また実施している「保育の内容」を説明しなければならない明確な理由も記載されていません。

 

これはどのように考えればいいのでしょうか?

 

この問題を「社会福祉」と「保育所」の、2つの側面から考えていきたいと思います。

社会福祉」とは?

そもそも「社会福祉」とは、児童や高齢者、低所得者障碍者など、日常生活を送る事が困難な人に対して行われる、社会的な「支援」や「援助」を意味します。そしてその目的は社会全体の「幸福」を目指す点にあると言えます。

 

注意すべきは、この「支援」や「援助」の対象となるのは、先述した生活困難者のみではありません。「社会全体の幸福を目指す」とあるように、「全ての人」が対象となります。つまり端的に、子どもから大人まで、全ての人の幸福を目指す為に支援や援助を実施する事が「社会福祉」であり、それを実現する為の事業を「社会福祉事業」と呼称するのです。

 

そして「社会福祉事業」の「第二社会福祉事業」に分類されるのが「保育所」になります。

 

保育所」とは?

何度も確認してきている事ですが「保育所」とは、「保護者の就労等により、家庭内保育の実施が困難な家庭の児童を預かる場所」と言えます。このように保育所は児童を預かり保育を提供する場ではあり、そして同時に、保護者への支援へと実施している場でもあります。

 

保育所は、児童が生活するうえで必要となる「生活習慣」を身に付けながら、「自主・協調性の育成」や「心身の発達」を目指します。つまり乳幼児の今後の生活の基礎を育む場と言えるでしょう。

 

そして同時に保護者に対する支援の場でもあるのです。

 

現在、保護者を取り巻く家庭環境や社会的状況は大きく変わってきました。

例として、共働きや産後鬱、ワンオペ育児など様々な問題が生まれてきました。これは家庭や保護者だけでは十分な保育を行う事が難しくなってきていることを意味します。

 

こうした家庭や保護者に適切な援助や支援を行っていくのが「保育所」です。

 

福祉事業としての保育所の役割を考えた時、児童を預かる「保育所」とは、児童の成長を見守りつつ、子育て世帯の保護者の子育てを手伝い、また子育てにおける悩みや相談を受ける「子育て支援」の場でもあると言えます。

 

地域交流を実施する具体的な理由

以上の点から、改めて確認事項を調べてみます。

法令に依るならば、地域社会との交流や連携は努力義務となっており、実施の義務性を有してはいません。

 

しかし現在の社会状況を考えた時、家庭内だけで子育てをすることは、非常に難しい状況であると言わざるを得ません。そんな時に、支援を貰いながら子育ての出来る「場所」は、子どもにとっても、保護者にとっても必要不可欠な存在であると言えます。

 

こうした多くの子どもや保護者への支援を行うために、地域交流や関係機関との連携は必要不可欠なのではないでしょうか。それが、将来的に子ども、保護者双方への支援等に繋がると言えます。

 

こうした観点から、保育所における地域社会との連携は、行っていくべき事であると言えます。法令的に義務性は無くても、実施してくことが望ましいとでしょう。

まとめ

今回の「保育の計画と内容 その⑨」では、保育所の地域社会との交流について確認されました。

 

それらを踏まえて今回の「保育の計画と内容 その⑨」の要点は、次のになると言えるでしょう

保育所における保護者や地域社会との交流は、努力義務ではありつつも、児童、その保護者に対する支援や援助の観点から、義務性は無くとも実施する事が望ましい。

 

次回は、「4:開所時間及び一斉休園」について調べていきます。

 

備考

鹿児島県児童福祉施設の整備及び運営に関する基準を定める条例第6条第2項

(一般原則)

第6条 児童福祉施設は、入所している者の人権に十分配慮するとともに、一人一人の人格を尊重して、その運営を行わなければならない。

2 児童福祉施設は、地域社会との交流及び連携を図り、児童の保護者及び地域社会に対し、その運営の内容を適切に説明するように努めなければならない

(~以下省略~)

 

日本国憲法

第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

「3 通園方法」の投稿中止について

今回で「2 児童処遇 保育の内容と計画」についての投稿は終わります。

本来であれば、次回は「3 通園方法」についての紹介・解説を投稿するところですが、根拠となる法令の半数以上を見つける事が出来ませんでした。法令が不確定なままブログを更新する事は、読む方にご迷惑をお掛けする可能性が高いので、次回の「3 通園方法」については投稿を中止したいと思います。