この時期から、来年度に内定を貰った会社等への就職に向けて準備する人をチラホラ見かけます。
どんな人と仕事するのか?
どんな業務が待っているのか?
どんな出会いが待っているのか?
などなど。
期待とも不安とも取れない感情が渦巻いている事だと思います。
仕事の内容は内定をもらった会社によるので、就職後に覚えていくしかありません。
しかし就職前に出来る事もあります。
それは新入社員としての心構えを身に付ける事です。
今回は、岩瀬大輔氏の『入社1年目の教科書』から、入社1年目の時、身に着けておいた方が良い心構えを5つ紹介します。
【要約】入社1年目の教科書 目次
①頼まれたことは必ずやりきる
本書では、新入社員に求められる姿として、頭の良さや優秀さは求められていないと述べています。では、何を求められているのでしょうか?
それは「頼まれた仕事を何が何でもやりきるかどうか」です。
まず、社会人にとって最も大切な事は「信用」です。
しかし、例えば期限内に仕事を終える事が出来ない人、催促しないと仕事をしない人とは一緒に仕事をしたいと思いません。また次から仕事を頼みたいとも思いません。なぜならそんな人を上司や先輩は「どうせ中途半端な仕事しかしないしな...」と信用できないからです。
失ってしまった信用を取り戻すには、生半可な苦労では到底不可能です。
反対に、完璧でなくとも期限内に仕事を持ってくる人、催促しなくても自分から仕事を持ってくる人だと、上司や先輩は「こいつはどんな仕事でも、ちゃんと期限内に持ってくるから信用できるな。」と思うようになります。
初めての仕事に自信が持てないという事は、入社1年目であれば誰もが思う事です。しかし初めから完璧に仕事をこなす必要はありません。
まずは与えられた仕事を何が何でもやりきりましょう。それが必ず信用と自信に繋がります。
②50点で構わないから早く出せ
次は、仕事を頼まれるようになった後の話になります。
本書では、仕事に慣れていない入社1年目の注意点として、どうしても100点の仕事を目指してしまう点を挙げています。
勿論、100点の仕事を目指す事は問題ありません。
しかし、新入社員のうちは仕事で100点を目指そうとすると、どうしても時間が掛かってしまいます。
つまり仕事に慣れていないうちに100点の仕事を目指そうとすれば、当然与えられた期限内に終わらせることは難しいと言わざるを得ません。また場合によっては、期限ギリギリになって「すみません。ここがどうしても分からなくて...」なんてことにもなりかねません。こうなってしまうと、今度は訂正・修正する時間がなくなります。
その結果、期限内に仕事を終わらせる事が出来なくなり、信用を失う事になってしまいます。
そうならないためにも、100点ではなく50点の段階で一度上司や先輩に相談する必要があります。そうすることで改めて仕事の進め方やミスしている部分について助言が貰えるようになります。
早めに相談する事は、助言が貰えると同時に、自分で仕事を完遂するよりも、はるかに効率的かつ質の高い仕事に繋があります。
上司が忙しそうだから相談しにくい、なんてことは考える必要はありません。
上司の仕事をは部下を教育する事。仕事内容を教える事です。仕事を進める時は50点の段階で必ず1度は相談するようにしましょう。
ここでポイント
①と②は地続きで考えましょう。
もちろん初めのうちは、仕事を期限内に終わらせる事や仕事の内容に指摘を受ける事に対して、不安やストレスを感じると思います。
しかし上司や先輩に相談するのが不安だからと言って、仕事を終わらせても催促されないと仕事を提出しなかったり、仕事の進め方も内容も間違いだらけの仕事を提出してしまうと、「こいつは仕事が出来ない人」、「もっと早く持ってくれば修正や訂正に間に合ったのに」と思われしまい、結果として信用を失う事になります。
与えられた仕事を期限内に終わらせ、かつ質の高い仕事に仕上げるには、上司や先輩への相談は必須事項です。
仕事を進めている途中に、上司に相談する事で、仕事の進め方やミスなどに対する的確な助言を受ける事が出来ます。その受けた助言等を調べなおし、修正して再度、上司の元へもっていく。そうすることで期限内により質の高い仕事へと仕上げる事が出来るのです。
この経験の積み重ねが、結果的に2年目、3年目に実力の差となって表れます。
仕事を任された時は、上司や先輩に相談しながら何が何でもやり遂げる心構えで挑みましょう。
③何があっても遅刻はするな
本書では、不測の事態を除いて、1年目の新入社員はどんなことがあっても絶対に遅刻してはいけないと述べています。
入社1年目の人に対して、受け入れる会社側が期待しているのは、その人の優秀さではありません。「社会人として当たり前のことをちゃんと出来るのか」という点です。
なので、どんな理由であっても社会人1年目に遅刻してしまえば、上司や先輩からは「遅刻する新人」、つまり「社会人として当たり前の事も出来ない人間」という印象を持たれてしまします。
こうしたネガティブな印象を持たれてしまうと、それを挽回するのは非常に困難です。なぜなら挽回する機会さえ失ってしまうからです。
社会人として当たり前の事が出来ない人間に、仕事を任せる上司はいません。つまりネガティブな印象を持たれてしまっては、上司や先輩に自分の仕事の成果を見てもらう事すら出来ないからです。
何があっても遅刻をしてはいけません。余裕をもって行動する事が大事です。
他にも「社会人として当たり前のこと」とは、「挨拶をきちんとする」、「身なりを整える」、「正しい言葉遣いをする」等もあります。
そうした、社会人として当たり前のマナーはしっかりと守るようにしましょう。
④質問はメモを見せながら
当然ですが、新入社員のうちは仕事のやり方が分かりません。
仕事で分からない事があれば、上司や先輩に相談する事になると思います。勿論、分からない事を質問することは大切な事です。
しかし本書では、分からない事が出てきた時点ですぐに頼るクセを付けると、いくら丁寧に教えて貰っても、自分のスキルとして定着しない恐れがあると述べています。また何度も何度も質問していては、相手から「自分で調べたのか」と問い返されるかもしれません。
仕事で分からない事が出てきたときは、簡単にでもいいので自分で調べてみる事が大切です。その上で分からない事を質問してみましょう。
その時に大切な事は、質問する前に「自分の考えを箇条書きにして書き出す」という方法です。自分の考えを書き出すことで、自分の思考を整理する事が出来ようになります。そして思考を整理すると、「自分の分からない事」が明確になり、相手に質問しやすくなるからです。
そしてこの箇条書きしたメモを見せながら質問をしてみましょう。
そうすれば、相手は質問にきた人が、何が分かっていて、何が分かっていないのかを知る事が出来るので、質問に対して的確な助言を行う事が出来ます。
このように仕事で分からない事があった場合、自分の考えを箇条書きにして書き出しましょう。その書き出したメモを見せながら上司や先輩に質問する事で、より的確な助言を貰う事が出来ます。
⑤休息を取ることも「仕事」だ
例えば、アスリートは試合で最も高いパフォーマンスを発揮する為に、入念な準備を行います。本番を模した運動、食事バランスの見直し、十分な睡眠、ストレッチやマッサージなどによってコンデションの調整を行っています。
この調整によって、本番でも高いパフォーマンスを発揮する事が出来るのです。
では、社会人にとって最も大切な「調整」とは何でしょうか?
本書では、それを「睡眠」であると述べています。
良質な睡眠は、心身の疲れや疲労を取り除き、思考もスッキリさせてくれます。
逆に睡眠時間が不十分だと心身が疲れ切ってしまい、100%の仕事ぶりを発揮ることは出来ません。これが自分一人であれば問題ありませんが、会社や組織に身を置いている場合、自分のミスは会社全体に影響を与えます。
心身の「調整」を行う事も仕事の一つだと考えましょう。
また心身の調整には「睡眠」の他にも、「食事」などが関係しています。ある意味、社会人もアスリートと同じものだと言えるかもしれません。
まとめ
『入社1年目の教科書』5つのポイント
①頼まれたことは、必ずやりきる
②50点で構わないから早く出せ
③何があっても遅刻はするな
④質問はメモを見せながら
⑤休息を取ることも「仕事」だ
新入社員にとって大切な事は「信用」を得る事にあります。
それを上司や先輩は、優秀さや要領の良さでは判断しません。
「社会人として、当たり前の事をちゃんとやれるのか」
という点において判断します。
今回紹介した5つの点は、社会人としての当たり前をこなすための準備、いわば心構えです。就職前に読んでしっかりと準備していきましょう。