仕事に取りかかる時、すぐに始めることが出来ますか?
新人の頃は、与えられた仕事を終わらせることに必死です。
しかしだんだんと仕事や職場の雰囲気に慣れてくると、仕事に対するモチベーションが変わってきます。
特に顕著なのが、仕事に取りかかるスピードです。
気分の良い日は、余計なことを考えず素早く仕事に取りかかることが出来ますが、気分の乗らない日は、簡単な仕事であっても取りかかるまでに時間が掛かり、不平や不満が頭の中を埋め尽くしています。
「これはいけない」と思って、気合を入れなおしても、どうも長く続きません。
すぐに仕事に取りかかるまでに必要なことは、気持ちの持ちようだけではないようです。
そこで今回は、塚本亮氏の『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』から重要な点を5つ紹介します。
これを読んで、仕事に取りかかるのが億劫な人でも、仕事に取りかかるスピードを上げ、結果として仕事の質や生産性を上げることが出来ればと思います。
『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』目次
- すぐやる人は明日を疑い、やれない人は明日を信じる
- すぐやる人は考えるために行動し、やれない人は行動する為に考える
- すぐやる人は環境で自分を動かし、やれない人は誘惑に負けてしまう
- すぐやる人は毎日カバンを空っぽにし、やれない人は荷物を入れっぱなしにする
- すぐやる人は朝を大切にし、やらない人は夜が遅い
- まとめ
すぐやる人は明日を疑い、やれない人は明日を信じる
「すぐやる人」と「やらない人」の違いに、「モチベーション」への向き合い方があります。
モチベーションとは、行動する際の「動機」や「やる気」のことです。
このモチベーションが最も高い時とは、人が何か「やってみたい」と思った時です。
例えば、気になった本を見つけた時、「面白そうだな」と思って購入した経験はないでしょうか。こうした行動の「原理」となっているのが「モチベーション」です。
「面白そう」→「即購入」
この一連の行動のもとになっているのが「モチベーション」
しかしモチベーションというものは、実は長続きしません。
先ほどの例の続きですが、「面白そうだ」と思って購入した本でも、家に着いた時にはモチベーションが下がっており、「明日から読むか」とそのままになったり、いつの間にか本棚にしまったままになっている、なんて経験はないでしょうか。
このように、モチベーションは「やりたい」と思った瞬間が最も高い状態であり、それ以降は、だんだんと下がってしまいます。
本書では、「すぐにやれない人」は明日以降もモチベーションを高く維持でいると思い込んでいるため、行動を明日以降に引き延ばそうするとあります。
一度下がったモチベーションを上げることは容易ではありません。
一方、「すぐやる人」は、「明日から」とか「いつ」という考え方をしません。「やりたい」と思った瞬間から、実際にやってみないと気が済まないのであり、だからこそ、何かしらの行動を取っていくのです。
すぐやる人は考えるために行動し、やれない人は行動する為に考える
すぐに行動できない人の特徴に、行動する前に深く考えすぎてしまう点があります。
しかし行動する前に考える事を疎かにしてしまえば、失敗する可能性は大きくなります。この矛盾は一体どのように考えれば良いのでしょうか?
この矛盾について本書では、考える事が重要だからこそ、まずは行動する事が重要だと述べています。
なんだか言葉遊びのようですが、ここにはれっきとした理由があります。
筆者は、これをサッカーに例えて紹介しています。
例えば、サッカーボールを蹴った事のない人が、いくら本を読んで蹴り方について考えても上手く蹴る事は出来ません。それよりも実際にボールを蹴りながら、どうすればもっと上手く蹴る事ができるのかと試行錯誤を重ねた方が、確実に上達します。
つまり、行動する前にあれやこれやと考えてしまって、結局行動できずじまいになるよりは、ほんの少しでも実際に、行動してみるのです。そうすると何かしらの結果が返ってきます。その結果をもとにして「反省」、「改善」をする。この繰り返しが、より「考える力」=「思考力」を高めることになるのです。
もちろん行動にはリスクが伴いますので、行動する前に慎重に計画を立てる事は間違ってはいません。しかし考えすぎると、自分には計画も立てられないと悲観してしまい、行動自体を諦めてしまいます。大切なことは小さい行動から始めていき、トライ&エラーを繰り返す。これが実際の「行動力」、そして「思考力」へと繋がっていくのです。
すぐやる人は環境で自分を動かし、やれない人は誘惑に負けてしまう
すぐやれない人の特徴として、自分の意志力で行動しようとする人を挙げています。
そんな人は、出来なかったとき、自分の意志力に責任があると信じ込んでしまい、自信を失ってしまうと言います。なぜでしょうか?
勿論、意志力が強く、どんな環境でも自分のなすべき事をやれる意志の強さがあれば問題ありません。しかし多くのやれない人は、何かと言い訳や理由を見つけては「やらない」選択をします。
そこで大切なことは、「やるしかない環境に自分の身を置く」ことです。
本書では、「すぐやる人」は、そもそも意志力に頼ることはせずに、誘惑するものがない環境に身を置くほうがラクだと考えると言います。
例えば、ダイエットをしたいときは、自分一人でメニューを考えて筋トレや食事制限をするのではなく、ジムに登録して、トレーナーの指導やサポートを受けたほうが効率的です。ジムに登録しているので、サボろうと思う気は少なく、またお金が掛かっているので簡単に辞める防止にもなります。
このように「すぐやる人」は自分の意志や力だけではなく、「人」や「金」、「時間」や「場所」をうまく利用しているのです。
自分の意志ではなく、一種の損得に関わる環境に身を置くことが、誘惑に負けない環境なのかもしれません。
すぐやる人は毎日カバンを空っぽにし、やれない人は荷物を入れっぱなしにする
「すぐにやれない人」の特徴に、整理整頓の習慣がない人が挙げられます。
なぜなら、物事を先延ばしにする原因の一つが「モノがきちんと整理されていない」ことにあるからです。
本書では「物が整理されていない状態は、頭の中も整理されていない状態」であると言います。
例えば、会社から持ち帰った書類を見直そうと思って、書類を探しているとなかなか見つからない。なんだか面倒になって、つい明日になったら見直すという事があります。他にも部屋の片づけをしていて、昔のアルバムをに目が留まり、片づけが進まなくなったりした事はないでしょうか。
このよう人は「モノ」を探すことで必要以上にやる気とエネルギーを消費してしまう傾向にあります。そして当然「モノ」が多すぎると、消費するやる気もエネルギーも大きく増加します。
反対に「すぐやる人」は、整理整頓がなされているます。
他にも不要なものほど、処分しています。これは自分が管理できる「モノ」を極力減らすことで、「モノ」に対するエネルギーを減らしているからです。
例えば、持ち帰った書類や筆記用具の置き場所が決めていたりします。パソコン内部を分類、整理することで必要な時に必要なものがすぐに探し出せるようになったり、財布の中身を整理しておくことで、無駄な出費を抑えることに繋がります。
すぐやる人は朝を大切にし、やらない人は夜が遅い
すぐやらない人の特徴に、「夜型」の生活に重きを置く点があります。
夜は、1日の中で脳も身体も最も疲れている時間帯です。その為、何か新しい事にチャレンジしたりするエネルギーが残されていません。頑張ろうにも、どうにもモチベーションが上がりきらずに時間だけを浪費してしまうことになります。
反対に、すぐやる人は、夜ではなく早起きを習慣化しています。
例えば、スターバックスCEOのハワード・ショルツ、アップルCEOのティム・クックなどは毎朝4:30に起きているそうです。このように世界で活躍するリーダーには早起きの人が多いと言われています。
なぜ、リーダーと呼ばれる人には早起きが多いのでしょうか?
それは「朝」の時間の使い方が1日を決定するからです。
脳は、朝起きてからの2~3時間経過したあたりが、最も活発に活動すると言われています。つまり、この時間帯に最重要事項にあたるタスクをこなすと、その後の仕事がスムーズに進みます。
他にも、朝に軽いジョギングやストレッチなども、脳を活性化させることが分かっていますので、その後の時間を読書や資格の勉強などのインプットをしたり、仕事のアイディアを考えるアウトプットの時間としても活用できます。
充実した1日を過ごしたいのであれば、何よりもまず早起きから始めることが大切です。その積み重ねの先に、新しい独創的なアイディアや一生モノのスキルが身につくのではないでしょうか。
まとめ
『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』5つのポイント
①すぐやる人は明日を疑い、やれない人は明日を信じる
②すぐやる人は考えるために行動し、やれない人は行動する為に考える
③すぐやる人は環境で自分を動かし、やれない人は誘惑に負けてしまう
④すぐやる人は毎日カバンを空っぽにし、やれない人は荷物を入れっぱなしにする
⑤すぐやる人は朝を大切にし、やらない人は夜が遅い
すぐにやる人の特徴は、なんといっても「行動の速さ」にあります。
反対に、すぐやれない人は「行動を先延ばす」傾向にあります。
勿論、行動を先延ばすこと自体が悪いことではありません。
ただ先延ばしにしてしまうと、仕事のチャンスやスキルアップの機会を失ってしまうかもしれません。なぜなら先延ばす癖がついてしまうと、目の前にチャンスがきても、行動するまでに時間がかかってしまうからです。モタモタしていると、せっかくのチャンスが逃げてしまいます。
人生に訪れるチャンスは30代をピークに徐々に減ってくると言います。
目の前に落ちてきたチャンスをものにするためにも、すぐに行動できる習慣を身につけておきましょう。