事務員の保育園日誌

保育園で働く事務員の日常や業務改善方法などを紹介します!

【実例解説!】社会福祉施設ではたらく事務員の繁忙期 ~4月、5月、6月~

事務員の仕事は、そのほとんどが「雑用」です。
 
書かれている内容は、ある日のスケジュールですが、毎日がブログに書かれているような内容ではありません。実際、自由に時間を使える日もあれば、早朝に出勤し閉園後に残業をする日もあります。
 
身も蓋もない言い方をすれば、
 
「忙しさなんて日によって様々である」
 
という事です。しかし、そうは言っても忙しい時期と暇な時期はハッキリしています。
はたして、それは一体いつ頃でしょうか?
 
今回は、そんな事務員にとっての「繁忙期」について紹介したいと思います。
 
※あくまで当園の事務員にとっての繁忙期です。他の園や会社の実態と異なる事をご理解いただきますようお願い申し上げます。

保育園の繁忙期

保育園で一番忙しい時期はいつ頃でしょうか?
・行事が重なる時期
・年度末や新年度のあたり
この2つの時期が保育園にとっては一番忙しいと思われます。しかし実は行事が重なる期間、事務員はそこまで忙しくありません。行事の準備・実行などは保育士が行い、事務員は行事で使う道具や施設の予約程度です。
個人的に最も忙しいと思うのは、年度末から新年度(3月~6月末)までです。
では、どのように忙しいのでしょうか?
 

事務員にとっての繁忙期 ~3月編~

3月は新年度準備期間です。園内も何かとバタバタした雰囲気があります。
これまで何度もお話していることですが、事務員の仕事の本質は「他人のサポート」です。
 
保育園で言うと保育士のサポート係です。
 
保育士がクラスの運営をスムーズに進めるためには、例えば以下の書類や手続き等を4月1日までに準備・作成・提出しなければなりません。
 
クラス関係
・各クラス分の園児出欠席名簿作成
・各クラスの大型備品の修繕・破棄・購入等
・園児・職員用保険加入
・園児全員分のネームプレート作成
行政・その他関係
・行政機関へ提出する重要書類の作成
・新規利用者のデータをPCに入力
・必要書類を綴じておくファイルの作成
 
3月1日~10日 来年度備品発注
3月はイベントや来年度準備の為、通常月よりもバタバタしています。特に来年度の準備の為の必要な備品(連絡帳・お絵かき帳・クレヨン・シール等)の発注を3月上旬までには行わなくてはなりません。そうしないと3月末日に到着しない場合があります。
 
3月11日~25日 卒園式及び準備、各種書類整備
大体、どの保育園でも3月下旬あたりで卒園式が行われると思います。年長児は卒園に向けて練習に励みますが、並行して別の行事にも参加します。当保育園ではお別れ会と遠足、地域の春祭りへの参加等、園児も保育士も大忙しです。事務員はというと、卒園式に必要な道具や設営を見直し修繕、購入等を行います。さらに行政機関への申請していた補助金等の実績報告書を作成したりと今年度の総まとめのような作業を行います。
 
3月26日~31日 来年度準備
卒園式が終われば一安心。。。という訳にはいきません。卒園式が終わっても、保育園は開所しています。通常通り園児たちを受け入れつつ、場合によっては卒園児を受け入れえる事もあります。そうした中で来年度準備が始まります。事務員は来年度利用者の名簿をもとにクラス別名簿や連絡先、ネームプレートなどの一覧を作成します。また園児、職員の保険加入手続き、各クラスの大型備品の修繕・破棄、ごみの収集等幅広く活動します。
 
一つ一つの作業を見てみると、特別な事はしていません。しかし行事等が重なるとどうしても忙しさや面倒さを感じてしまいます。適度に手を抜きつつ、淡々とこなしていくのがポイントです。

事務員にとっての繁忙期 ~4月編~

4月は、事務員にとって1年で最も忙しい時期への助走期間になります。
3月の忙しさはなりを潜め、意外と自由な時間が持てます。
4月1日~30日 クラス関係業務
・新園児の名前、保護者の名前と顔を覚える
・行事の準備・対応

事務員にとっての繁忙期 ~5月・6月編~

5月のゴールデンウィーク明けから本格的に忙しくなってきます。
それは決算・役員会の存在です。
6月末日までの大まかなスケジュールは以下の通りです。
・決算書作成の為の書類集め
・決算書類の作成
・決算書の確認
・決算書を監事に提出
・監事による決算監査
・理事役員の招集
・理事による決算承認理事会
・事業報告等、計算関係書類及び監査報告の備え置き
評議員役員の招集
評議員による決算承認評議員
・各役員会の議事録作成
・資産の変更登記
代表理事の変更登記(場合による)
それでは、5月からのスケジュールを紹介していきます。

5月6日前後 決算書作成の為の書類集め
GW明け、まず決算書を作成するために必要な書類を集めます。
・通帳残高証明書
・各種通帳
・定期預金証書
・該当年度に購入した固定資産関係書類
・未収金・未払金の明細 等々
普段の業務も行っていますので、数日間の余裕をもって集めます。また中には4月から集められる書類もありますので、その時に集めておく場合もあります。なお「通帳残高証明書」等、発行に手間や費用が掛かる物もあるので、事前に調べておくことでスムーズに集められます。
5月13日~14日 決算書の作成
大体、1週間もあれば資料は集まります。資料が集まったら次は決算書の作成に入ります。作成の手順について、ここに書くと長くなりますので各自調べて下さい。大切なことは、1人で作成するのではなく委託している会計士等、決算書を作成できる人に一任し、サポートに徹することです。
5月15日 決算書の確認
完成した決算書を確認します。まれに数字の誤り記載漏れがある場合もありますので、必ず確認します。同時に数字の確認や明細書に付箋を貼る等の作業も行いますが、この確認作業は「何を購入したのか」、「前年度との差異は何が原因か」等、運営上知っておくべきことを確認する意味もありますので、時間が掛かっても正確に調べていきます。
5月18日 決算書を監事に提出
完成した決算書を監事に提出し、監査の依頼をします監事は決算書の監査が法令で義務付けられています。監事は届いた決算書を調べてから、後日、監査を行います。
5月21日 監事による決算監査
監事による決算書監査を行います。監事は会計帳簿や決算関係書類に誤りや記載漏れがないか等、国が提示するチェックリストに照らし合わせながら監査を実施し、最後に「監事監査報告書」を作成します。
5月22日 理事役員の招集
監事監査終了後、理事会を開催します。その際、理事役員には決算理事会を開催する1週間前までに招集文を発送します。この「1週間」という期間は理事役員が決算書を確認する期間でもあります。つまり決算書が完成したからと言ってすぐに理事会を開催する事が出来ません。
5月29日 理事による決算承認理事会
監査を受けた決算書の審議、定時評議員会の日時、場所、評議員会で審議すべき議案(決算書審議、役員、報酬基準等)について審議します。注意すべきは、この時点で決算書の承認は受けられないという事です。
法改正後、決算書の承認は評議員会で行われます。理事会は評議員会に議案を諮るための準備機関のような位置づけになります。
同日、理事会で承認を受けた決算書(=事業報告等、計算関係書類及び監査報告書)を事務所への備え置きます。これは定時評議会の2週間前から5年間設置しなくてはならないと法令によって決まっています。この翌日から2週間の機関を空けて、評議員会が開催できます。
5月30日 評議員役員の招集
評議員役員に決算評議員会を開催する2週間前までに招集文を発送します
この「2週間」という期間も法令で決まっていることです。この期間に評議員は決算書を確認します。場合によっては確認の為に来園した評議員の質問に対応しなくてはなりません。
6月13日 評議員による決算承認評議員
理事会で承認された「評議員会で議案すべき議題」について審議を行います。ここで決算書の審議を行いますが、他にも事業報告や年度によっては新役員の選任や報酬基準の審議・承認を行います。この評議員会で承認されることによって、ようやく決算書は承認扱いになります
6月14日 各役員会の議事録作成
理事会、評議員会の議事録を作成します。これは当年度の資産を登記する場合、役員会の議事録が必要になるからです。時間が掛かりますので、早めに取り掛かりましょう。理事会議事録理事長・監事2名の記名押印評議員会議事録選出された議長、署名人2名の記名押印が必要になります。なお記名と押印を貰うには割と時間が掛かるので注意が必要です
6月21日 資産の変更登記
承認を受けた決算書を元に変更登記を行います。法人は資産の登記しなければなりません。毎年、資産は変更しますので、その度に変更登記が必要になります。変更登記は法務局に書類を提出しますが、再提出を指示された場合、6月中の登記に間に合わない可能性があります。ですので、行政書士に委託することをおススメします行政書士に委託した場合、提出に必要な書類等を教えてくれるので非常に助かります
6月22~末日 後処理
ここまでくると残るは、決算書類や役員会等の後処理だけです。
決算書承認後、県の担当部署、行政機関に収支分析表」や「監事監査報告書」を提出します。また情報開示義務により、決算書や現況報告書をホームページで公開できるよう設定します。
これらの作業をもって決算業務は終了します。

終わりに

以上が事務員の「繁忙期」になります。
事務がメインになり専門用語も多く、初見の方には理解しにくい部分が数多くあると思います。私自身も用語を覚えるまで長い時間が掛かりました。
 
もちろん、この業務以外にも通常業務を行っていますし、ここには書いていない雑務等も行っています。毎年この2ヵ月間は業務が格段に増えるため、特に忙しく感じます。
 
しかし逆に言うと、この時期を乗り越えれば業務的にも余裕を持てるようになります。この期間中、如何に効率よく仕事出来るかがポイントとなります。