事務員の保育園日誌|複雑な保育園業務の改善方法を

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【保育園業務解説!】監査資料から考える保育園における業務の義務性について  児童処遇「2:保育の計画と内容」その③

前回は「2:保育の計画と内容 その②」について解説・紹介しました。

今回は「2:保育の計画と内容 その③」を解説・紹介していきます。

 

※ここでは計13個の項目に沿って調べられますので、複数回に分けて紹介・解説していきます。

今回は(4)の項目を紹介します。

 

(4)障害のある子どもの保育

 個別的な計画をさくせいするなど、適切な対応を図っているか。

 家庭との連携を密にし、保護者との相互理解を図っているか。

 専門機関との連携を図り、必要に応じて助言等を受けているか。

さらにここに関係する書類が、

・保育過程

・指導計画

になります。そして対応する根拠法令が、

(4)・・・保育所保育指針第1章3-(2)-キ、保育所保育指針解説第1章3-(2)

となります。それでは一つずつ確認していきます。

 

(4)障害のある子どもの保育

ここでは「障害のある子どもの保育」として、3つの観点から確認しています。

 

ア 個別的な計画を作成するなど、適切な対応を図っているか。

まずは疑問点の確認です。

それでは法令を確認します。

第1章 総則

3 保育の計画及び評価

(2) 指導計画の作成

 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画個別に作成するなど適切な対応を図ること。

ここで障害のある子どもに保育を行う場合、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、各関係機関との連携した支援計画を個別に作成する事が義務付けられています

 

しかし、なぜ、指導計画を個別に作成する必要があるのでしょうか?

 

それは、ここにも定められているように「子どもの状況に応じた保育を実施する観点」が重要となってきます。

 

例えば、健常児の保育計画のままでは、障害児へ対応し難い部分があるではないでしょうか。障害を持った児童には園での支援のほかに、家族の支援は勿論、病院や療育機関などの専門機関による支援が必要不可欠です。

 

その為、障害児一人一人の発達や成長の状況等を正確に把握すると共に、専門機関等における所見や実施された支援の内容を共有することが、ここで定められる「子どもの状況に応じた保育を実施する」ことへと繋がると言えるでしょう。

 

こうした点から、障害児には個別の指導計画が必要になると考えられます。

 

ただし、指導計画と同じように作成頻度については明言されていないので、その点は施設の判断に拠ることを注意しましょう。

 

イ 家庭との連携を密にし、保護者との相互理解を図っているか。

ウ 専門機関との連携を図り、必要に応じて助言等を受けているか。

ここでは障害のある子どもへ保育を実施する場合に、家族や専門機関との連携等の有無を確認しています。

 

まずは法令を確認しましょう。

先ほどの(ア)で紹介した法令と同じものですが、再度引用します。

第1章 総則

3 保育の計画及び評価

(2) 指導計画の作成

 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画個別に作成するなど適切な対応を図ること。

先ほども確認したように、障害児の指導計画の作成の義務性と根拠が定められています。確認事項と合わせて考えた時、ここでは2つの点が重要になります。

  1. 障害のある子どもが他の子どもとの生活を通してともに成長できるよう
  2. 子どもの状況に応じた保育を実施する

ここで重要な点は、(ア)で確認したように「」になります。

 

引用文において、指導計画の作成は、子ども(=障害児)の状況に応じた保育を実施するためには、家庭や関係機関(=病院、療育機関等)との連携した支援が必要になり、その連携のために、個別の指導計画が必要になる。とあります。

 

誤解を恐れずにいうと、通常の保育園や認定こども園等では、どうしても専門機関のような支援は難しいのではないかと思います。勿論、保育園や認定こども園等では、障害児への対応が出来ない等と言っているわけではありません。

 

繰り返しになりますが、障害児への支援や保育を実施する場合は、自園だけで行うのではなく、家族の状況や想い、専門機関の所見や助言等を受けながら「一体」となって協力していくことが重要となるのでしょう。

 

そうした意味で、家族や専門機関との連携を確認しているのだと思います。

 

まとめ

今回の「保育の計画と内容 その③」では、障害のある子どもの個別の指導計画の作成、家族や関係機関との連携、支援について確認されました。

 

それらを踏まえて今回の「保育の計画と内容 その③」の要点は、次の2つになると言えるでしょう

①障害のある子どもがいる場合、個別の指導計画を作成する義務がある。
②障害のある子どもへの保育は、子どもの発達状況等に応じた保育を実施する観点から、家族各専門機関との連携等が重要となってくる。

 

次回は、「保育の計画と内容 その④」について調べていきます。