日本の歴史と文化が息づく街「京都」
毎年、日本だけではなく、世界中の国から多くの観光客が訪れる日本有数の観光地です。
京都では年中、季節に合わせた催しが開催されています。そのため、いつ訪れても日本の歴史や文化に触れる事ができます。
今回の「京都の旅」は、一番楽しみにしていた「都をどり」について紹介します。また最後には過去の「都をどり」の動画も挙げているので、是非ご覧ください。
春の京都
日本を代表する都市「京都」
古くは日本の首都「平安京」が位置し、日本の政治・文化の中心地として栄えてきました。
そんな京都は四季の移り変わりを、まざまざと感じられる場所。
春は桜の季節という事もあり、京都の至る所で満開の桜を見ることができます。
そんな春の京都のおススメは「鴨川」です。
鴨川は、河川敷に沿って桜の木が立ち並んでいます。
そのため桜の満開時には、それは見事な「桜の回廊」が完成します。まるで日本画の中に迷い込んだかのような幻想的な風景に、きっと心を奪われるかもしれません。
(※写真はイメージです)
また春になると京都各地では、様々な催しが開催されています。
寺社仏閣では春の法要や夜間拝観、春の奉納祭などなど。。。
その中でも今回、僕が最も楽しみにしていたのは「春のをどり」です。
「春のをどり」とは
京都の春をより一層、華やかにしてくれるのが「春のをどり」
「春のをどり」とは「祇園甲部」、「宮川町」、「先斗町」、「上七軒」の4つの花街にある歌舞練場などで、毎年3月下旬から5月にかけて行われる舞踊公演のこと。
普段なかなか触れる事の出来ない、芸妓さんや舞妓さんの舞う姿を間近で観ることが出来るとても貴重な機会です。また「舞踊」はもちろんのこと、彼女らの纏う華麗な衣装も見どころの1つ。
それぞれの花街では舞踊の流派や演目、趣向が異なるので期間中、各所をめぐりながら、それぞれの花街の「春のをどり」を鑑賞するのも面白いかもしれません。
(※五花街の1つ「祇園東」は秋の公演)
上七軒:北野をどり 3月下旬~4月上旬
宮川町:京をどり 4月上旬
先斗町:鴨川をどり 5月上旬~5月下旬
祇園東:秋のをどり 11月
※令和5年度の予定を参考に作成。
結論…むちゃくちゃ感動した…
祇園甲部は「都をどり」
「都をどり」の歴史は古く、始まりは明治5年の京都博覧会にて芸妓・舞妓の歌舞を披露した事から始まるそうです。
公演時間は約1時間ほどで、全八景(8つの物語や景色)で構成されています。
そして特徴的な掛け声とともに幕が上がると、一度も幕が下がることなく、華やかな衣装を纏った芸妓さん・舞妓さんたちが美しい歌舞を披露します。
また今年は、祇園甲部歌舞練場の耐震改修工事が完工したので、約7年ぶりに祇園甲部歌舞練場での講演となったそうです。
ちなみにこの歌舞錬場に隣接している建物が、芸舞妓さんたちが芸事を習う学校「八坂女紅場学園」になります。
建物周辺は外国の観光客だらけ。
まぁコロナ規制も、ほぼないようなものですし仕方ないとは言え、かなりの多さ。
かき分けながら進み、受付スタッフの方にチケットを渡すと、まずはお茶席のある建物「八坂倶楽部」に案内されます。
祇園甲部歌舞錬場は大きく2つの建物によって成り立っています。
もう1つは、広々とした日本庭園と舞台座敷、お茶室「如庵」がある、「八坂倶楽部」です。
初めて入った「八坂倶楽部」ですが、中には「都をどり」で使用している着物などを展示していました。薄藍色に花傘と宝づくしの模様がなんとも鮮やかです。
さらに奥に進むと、今度は日本庭園が見えてきます。
庭園をほどほどに眺めつつ、順序に従って廊下を進んでいくと、途中に階段がありました。特に立入禁止の標識も見当たらなかったので、階段を上がっていくと…
なかなかの広さです。調べてみると132畳もあるとか………!
この舞台でも芸妓さんや舞妓さんが舞っているのでしょうか…
いつか観てみたいものです。
その後は一階に降りて、その先のお茶席に移動することなりました。
案内された席で待っていると、正面から2名の舞妓さんが現れました。
一礼した後、綺麗な所作でお茶をたて始めます。生憎と舞妓さんを写真撮影する事は禁止されていました。
(こんな近くで、生で舞妓さんを見れるとは…)
密かな感動を胸に舞妓さんの所作に見とれていると、お菓子とお茶が運ばれてきました。お菓子はとら屋の饅頭。程よい甘みと餡の触感がなんとも言えません。
食べ終わると、最後に「都をどり」の会場となる舞台に案内されます。
そしてはじまる華舞台
席で待つこと数十分、いよいよ始まりです。
「都をどりはー、ヨーイヤサー」の掛け声とともに、薄藍色の着物に身を包み、桜の枝を手にした舞妓さんたちが、一糸乱れぬ舞で舞台上に現れました。
今回の演題は『新華舞台祇園繁栄(あらたなるはなぶたいぎおんのさかえ)』
「置歌」から始まり、京都の四季を表現した「をどり」が舞われます。
特に感動したのが『祇園祭祝鷹山』
前の舞台が終わって暗転したあと、間髪入れずに一人の芸妓さんが舞台中央に駆けながら現れます。そして舞台両袖に向かって、可憐に手招きをしました。すると両袖から芸妓さんや舞妓さんが現れ、祇園祭をイメージした舞が披露されます。
この幕の最初に登場した芸妓さんの、ほんの僅かの間に舞っている姿が非常に美しいものでした。
人は大きな感動や衝撃に出会うと、思考が追い付かなくなると言います。それと同じように、僕はこの芸妓さんの舞から目が離せなくなっていました。
しばらく経ってから、ようやく我に返り、その芸妓さんに一心に見惚れていたことに気が付きました。
はじめて芸事の美しさに触れる事が出来たのかもしれません。
確かに残る感動
それからいくつも景色が変わり、最後の『八坂神社霞桜』でフィナーレを迎えます。
この幕では、今回の都をどりに出番した芸妓さん・舞妓さん達が総出演します。
大人数による華やかで美しい舞は、まさに圧巻でした。
きっと観た人の心には、言葉で表すことのできない、しかし確かに残る感動を覚えるでしょう。
また桜の季節になった時、観に行きたいと思います。
備考
「興味があるけど、実際はどんな感じなの?」
「雰囲気を観てみたい」、「知りたい」と思う方向けに現在、YouTubeで「平成31年の都をどり」の様子が配信されています。是非、ご覧ください。
また、こうした催しは「敷居が高そう...」と感じてしまうことも。
しかし、今回僕は一人で参加しましたが、同じように一人で参加している方もチラホラと見かけました。さらに適宜、スタッフの方から丁寧な指示や説明がありましたので、特別に不安を感じる事はありませんでした。
一人でも、気軽に観に行けると思います。