僕にとって就職した時に大変だった事は、仕事の内容を覚える事でした。
しかし仕事の内容よりも、仕事をこなす「方法」に手間取り、忙殺された事で、実際の仕事内容を覚える時間が無かったのも事実です。
本来であれば、仕事の「方法」について研修期間や上司・先輩によって教えられるのでしょうが、僕の場合はそうした人物がいなかったので、独学で覚えていくしかありませんでした。
その為、仕事の方法や内容を覚える事にも人一倍時間が掛かったと思います。
例えば、こんな経験はありませんか?
- 電話を受ける時の「挨拶」とは、どういった内容が正しいのか?
- メール本文の「始まり」と「締め」の言葉は何が適切なのか?
- 上司や行政機関と連絡する場合、「違い」はあるのか?
- 実際に対面した際の、言葉遣いや等
恥ずかしい話ですが、実は僕がこうした仕事の「方法」を勉強し始めたのは就職後、数年たってからです。仕事に慣れてきた頃、ある言葉遣いが間違っている事を知らされ、慌てて勉強し始めました。
今にして思えば、就職する前にしっかりと勉強しておけば、より効率的に仕事を進められ、円滑に仕事に取り掛かる事が出来たのではないかと後悔しています。
そこで今回は、僕が勉強する為に使った本を2冊紹介します。
『さすが!と言われる ビジネスマナー完全版』
著:高橋書店
まず仕事の方法を学ぶために買ったのはこの本でした。
この本は、タイトルにもあるように「ビジネスマナー」について書いてあります。
しかし一口にビジネスマナーと言ってもいくつもあります。例えば、
- 身だしなみや挨拶、持ち物
- スケジュール管理から日報の書き方
- 上司への報告・連絡・相談の仕方
- 外部文書やメールの書き方
- 冠婚葬祭での装いやテーブルマナー
- 名刺交換
- 来客対応や車の席順
等、さまざまなマナーがあり、それを全6章仕立てで紹介しています。
第1章 ファーストイメージアップ術
社会人としての身だしなみ服装、髪や指先のケアなどについて
第2章 研修いらずの社内業務&マナー
会社内における挨拶種類や方法、雑務の意味、上司への連絡方法、デスクスペースの管理などについて
第3章 ものおじしない会話術
言葉遣い、敬語の使い分け、プレゼンの方法、電話対応の基本と注意点などについて
第4章 接客・訪問に役立つ対顧客マニュアル
来客対応、案内方法、アポイントの取り方、初対面の会話術などについて
第5章 コツが凝縮 ビジネス文書作成方法
文書の使い分け、形式の意味、文書での挨拶の種類、書き方や注意点などについて
第6章 恥をかかない冠婚葬祭
ご祝儀、香典の基本、服装のマナー、宗教別の葬儀作法などについて
解説、そして実践形式で分かりやすい
この本の使い易いところは「なぜ、このマナーが重要なのか」という点も含めて解説されているところです。
例えば身だしなみにおいてスーツを着用する事は、会社の一員として周りの人間に対する社会的信頼感を表し、同時に会社の品格を上げる事に繋がると解説しています。他にも社会における言葉遣いが他者との今後のコミュニケーションにどのように影響するのか。メールや紙文書、FAX等ではどのような区別があるのか等、一見疑問にも思わないような事でも分かり易く解説しています。
さらに嬉しいのは、一つ一つのマナーをイラスト付きで解説するとともに、具体的なシーンをイメージした解説が書かれている事です。
初めに「なぜ、このマナーが必要なのか」という紹介から、「では実際にこのマナーはどのような影響を与えるのか」という他への影響、そして最後に「実際のシーンから考えてみる」という実践型(「HOWTO」)の解説、という流れで進みます。その為、マナーに対する理解が深まると同時に、実際の仕事へのイメージがしやすいメリットがあります。
社会人1年目の人にも分かり易く解説しているので、マナーに関してあやふやな部分があったり、上司や取引先との会話に不安がある方には、おススメの1冊です。
『入社1年目の教科書』
著:岩瀬 大輔
「そもそも、事務員って何をするのか?」
就職した当時、最初の疑問がこれでした。
事務員のイメージはパソコンで何か資料を作ったり、電話で話しているイメージしか持っていなかったのです。その為、実際に何をすればいいのかも分からず、ただ園長先生や行政職員の言われるがまま仕事をしていました。
しかし半年が経つと仕事にも慣れてきましたが、だんだんと仕事に対して傲慢な考えを持つようになってきました。
例えば仕事でミスをしても、最初の頃は「次は気を付けよう」と思っていたものも、慣れてくると「うるさいなー」や「じゃあ代わりやれよ」と責任を転換するように考え始めたのです。
すると他の業務や日常の仕草にも、そうした態度が出始めたのは言うまでもありません。しかし不思議なものでこうした考えは他人に見透かされており、ある時、園長先生から「何のために仕事をしているのか?」と問われた事がありました。
その時に初めて自分自身が「仕事」に対して向き合っていなかった事を感じました。
その時の園長先生の言葉をきっかけにして「仕事ってなんだ?」、「仕事への向き合い方ってなんだ?」という疑問が頻繁に増えました。そうした時に見つけたのがこの「入社1年目の教科書」です。
社会人の心構えとは?
この本の特徴は仕事の具体的な「HOWTO」本ではありません。
それよりももっと根本的な「社会人」としての心構え、つまりは「社会人になる為の準備本」と言えるでしょう。
では、社会人になる為には何が必要でしょうか?
実は何も特別なことは必要ありません。至極当然の事だけです。
- 頼まれていた仕事を50点でもいいから早く出す。
- 分からないことがあれば聞く
- メモを取る。
- 失敗から顧みて、そこから学ぶ
- できるだけ多くの人と関わる
- 身だしなみを整える
等、社会人としての基本的な心構えが書かれています。
さらにこの本では、そうした心構えの先に起こるであろう展望も語っています。つまり基本的な心構えが、仕事上、どのような結果に繋がるのかを語っているのです。
この一連の関係性を分かりやすく紹介しているのが、この「入社1年目の教科書」です。
入社1年目の人は勿論、新入社員の教育・研修にも使えると思います。
まとめ
事前の準備が、その後の生活をあり方を決めると言っても過言ではありません。
僕の場合は、就職前の事前準備を怠った結果とても苦労しました。
何事も準備をし過ぎると言う事はありません。またいくら準備をしたからといっても、実際に使いこなすまでには時間が掛かる場合もあります。
しかし、準備しているのと、していないのとでは仕事への向き合い方、そして理解が大きく変わってくるのは事実でしょう。
新しく学び始める事に早い遅いはありません。
何事にも準備をしてから、新たな生活をスタートしましょう。